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私たちは年間約200種類のテキスタイルを開発・提案しています。

麻とひと口に言っても、様々な表情があります。私たちは年間約200種類のテキスタイルを開発・提案しています。 産地内で織・染色・加工を一貫でできる強みを生かし、麻100%だけではなく竹、和紙、綿、キュプラ、ナイロン、 ポリウレタンなど他種類の糸を組み合わせて、企画の段階から他社にはできない物づくりをしています。 ここでは、様々な加工や生地の種類についてご説明します。

織物の種類

和装

経糸のからみで隙間を作り透け感を出した、夏の代表的な織物です。
緯糸5本おきに2本の経糸を交差させる(からませる)織物を五本絽と言い、ほかに三本絽と七本絽があります。結婚式やお茶席など、フォーマルな席で着用します。
※写真:五本絽襦袢地

2本の経糸で緯糸1本ずつをからませた、絽よりもさらに透け感がある織物です。
織柄のあるものを紋紗と言い、カジュアル~セミフォーマルまで幅広く着用できます。
※写真:本麻紋紗襦袢地

洋装

シャンブレー

経糸もしくは緯糸に晒(白)糸を、もう一方に色糸を使った平織で、シャツ地では定番の生地です。

サッカー

経糸に張力に差のある2種類の糸を使用し、張った部分とゆるめた部分を交互に配列して織り込むと、ゆるめた方にシボが現れます。
日本ではしじら織り、米・英ではシアサッカーと言い、もとはインド産の亜麻や木綿の生地でしたが、現在は絹や合成繊維でも作られ、薬品処理でシボを表現する方法もあります。

オックスフォード

経糸と緯糸を2本ずつ引き揃えで織った平織で、ボタンダウンのシャツに多く使用されます。
昔、スコットランドの紡績会社がオックスフォード大学から名前を付けて販売したことがきっかけで、こう呼ばれるようになりました。

ピケ

ピケ(別名ベッドフォードコート)は、表面に経方向のうねを表現した織物で、フランス語のpique(刺し刺繍されたの意味)に由来します。
主に夏の帽子や衣類に使用される伝統的な織物で、カラージーンズに多く見られます。

カルゼ

経糸に霜降りの双糸または杢糸(もくいと、霜降り調のまだら色を出した意匠糸)、緯糸に単糸を使用した綾織の織物です。
織り目がはっきりした上品な印象で、トレンチコートやテーラードジャケットに多く用いられます。 毛織物の産地、イギリスサッフォード州ガージー(kersey)が名前の由来と言われています。

サテン

朱子織、繻子織(しゅすおり)とも言います。
経糸、緯糸の交差点を一定の間隔に配置した、経糸または緯糸に浮きが多い織物で、表面に光沢があります。
緯糸に節糸を使った平織物をシャンタンと言いますが、これの朱子織はサテンシャンタンと言います。ドレスなどフォーマル衣装に多く用いられます。

バックサテン

裏朱子織(うらしゅすおり)とも言い、サテンの裏面の、光沢がない面を表とします。
同じように、サテンシャンタンの裏面はバックサテンシャンタンと言います。

ヘリンボーン

西洋で魚のニシン(へリング)の骨(ボーン)に似ていることから、この名が付きました。
日本では杉の葉に似ているということで、杉綾と呼ばれます。
主に毛織物に使用される生地です。

染色の種類

先染め

染めた糸を使用して織る方法です。
経糸と緯糸に違う色糸または晒糸や生成糸を配色して、無地、ストライプ、チェック、グラデーションを表現することができます。
使用する色糸は単色のほかに、1本の糸を複数の色に染め分ける絣や、トップ(リネン)、アラン(ラミー)などの霜降り調の糸があります。

二浴染め、片浴染め

天然繊維(麻、綿、絹など)と合成繊維(ポリエステル、ナイロン、キュプラなど)は使用する染料の種類が違うため、別々の色に染め分けることができます。
2種類の染液に連続で浸して染める方法を二浴染め、片方の素材のみを染色し、もう片方は晒のまま残す染色方法を片浴染めと言います。
※写真:ポリエステルのみ染色した生地

顔料染め

染料は水に溶けやすく繊維の内部まで染めることができますが、顔料は水に溶けず繊維の内部まで浸透しません。
顔料染めは、繊維表面に粒子を糊(バインダー)で付着させて染色し、糸の状態で染めてから織る方法と、織上がった生地を染める方法があります。
洗濯や摩擦、シワによる色落ち、白化が起こりやすく注意が必要ですが、一方で使うほどに増すカジュアル感がこの生地の魅力でもあります。

ウコン染め

僧侶が着用する袈裟に用いられる天然染料です。
袈裟は梵語のカシャーヤ(kasaya)を和訳したもので、ボロ布をつなぎ合わせて作ることから、糞掃衣(ふんぞうえ)とも言います。
仏教の発祥地インドでは染料にウコン(ターメリック)を用いますが、日本では多くの場合、染色しやすい合成染料を使用します。

蛍光増白剤

雲や雪などの白は、太陽光(白色の可視光線)が乱反射されたときに、物体の表面を見た人間が知覚する色であり、自然界には存在しない色です。
そのため、糸や生地を極限まで晒しても雪のような白さにはならず、また元の色よりも薄く染めることはできないので、染料に白はありません。(白色顔料はあります。)
そこで、晒よりもさらに白くしたいときは蛍光増白剤を使います。
※写真左:通常の晒生地、写真右:蛍光増白剤を付けた生地

プリントの種類

抜染(ばっせん)

染織された生地に抜染剤をプリントし、プリント部分を脱色する方法です。
抜染プリントには、白く脱色する白抜染と、色を加えて抜く着色抜染の2種類があります。

オパール

合成繊維と天然繊維の複合織物に、専用の薬液を使ってプリントします。
するとプリント部分は天然繊維が溶けて無くなり、合成繊維のみが現れシースルーになります。
写真は、麻とポリエステルの交織生地を使って、クローバー柄にオパールプリントしています。

整理加工の種類

キャッチワッシャー

手で握ったときにできるシワ感を表現する加工です。

リップル

リップル(塩縮加工)は、セルロース系繊維に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を用いて、生地にシボを付ける加工方法です。
仕上がりはシアサッカーに似た表面感ですが、リップルは柄の一部のみにシボを付けるといった部分的な加工が可能なので、シアサッカーよりも自由な表現ができます。
※セルロース系繊維とは、天然繊維では麻、綿、化学繊維ではレーヨン、ポリノジック、キュプラなど。